脱エクセルがおすすめな理由!3つの成功事例からExcel依存のリスクまで

目次

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「毎週の集計作業に5時間かかる…」
「ファイル管理ができていない」

Excelは便利なアプリではありますが、大量データは重くて処理できず、複数のデータを同時にリアルタイムすることも難しいです。そこでExcel依存を続ける経営リスクの洗い出しから、社内を動かすための具体的な3ステップ、業種別の成功事例とおすすめのツールまで、あなたの「脱エクセルは何から始めれば?」という悩みに明確な答えを示します。

エクセル業務をSaaSに切り替えた調査結果

次のグラフは、SaaS導入前の業務管理ツールについて、建設業界の回答をまとめたものです。回答企業の約半数(47.1%)がExcel・Googleスプレッドシートを主要なツールとして使用していることがわかります。

SaaS導入前に感じていた業務上の課題を尋ねたグラフです。「データ更新の手間が大きい」「ファイル管理が煩雑だった」などが上位に挙げられており、手動管理による非効率性やミスのリスクが主な課題として認識されていたことがわかります。

SaaS導入後の業務効率の改善度を示した円グラフです。導入企業の8割近く(77.9%)が「業務効率が改善された」と回答しており、SaaS導入が業務上の課題解決に大きく貢献したことがわかります。

建設業界のSaaS導入に関する調査結果をまとめると、多くの企業がExcelなどでの煩雑な管理に課題を感じていましたが、SaaS導入によってその業務効率が大幅に改善されたことがわかります。

調査概要

  • 調査実施機関:株式会社ミツモア
  • 調査機関:2025年7月7日~8日
  • 調査対象:建設業(従業員50名以上)でSaaS導入に関わった責任者・担当者104名
  • 調査方法:インターネット調査

エクセル業務のリスク診断

Excel業務の非効率性は、多くの企業が抱える共通の課題です。しかし、どの程度深刻な状況なのか、客観的に判断することは難しいかもしれません。以下の診断リストで、あなたの組織が抱えるExcel依存度の危険レベルをチェックしてみましょう。

診断項目 リスク
データ入力のフォーマットが定まっていない 中(情報の抜け漏れが起こる)
複数のExcelファイルを手作業で統合している 中(手間とミスが発生する)
ファイルのバージョン管理ができていない 中(最新版が不明確になる)
リアルタイムでデータを共有できていない 高(情報提供に時間差が生じる)
データの更新や集計に毎週時間がかかる 高(業務効率性が著しく低い)
月次レポート作成に時間を要している 高(稼働時間を浪費している)
理解できない複雑なマクロやVBAが存在する 中(属人化で更新できない)
担当者の退職で業務が停滞したことがある 高(すでに作業ができない)
計算式のエラーで過去に大きなミスが起きた 高(すでに損失が発生している)
事業成長に伴う処理量の増加に対応できない 高(非効率で売上と利益が減る)
合計 0

5点以上の場合、早急な改善が必要です。Excle依存による業務の非効率性が、組織全体の生産性を著しく低下させていて、売上や利益率をひっ迫させる要因にもなりえます。

エクセル依存を続ける3つの経営リスク

1. 生産性低下が招く見えないコスト増

Excel作業に費やされる時間は、多くの企業で過小評価されています。「見えないコスト」として、以下のような形で組織全体の生産性を蝕んでいきます。

コストの種類具体例年間損失額(目安)
人件費の浪費週10時間の集計作業×50週×時給3,000円1人150万円
ミスによる手戻りデータ入力ミスの修正、再集計80万円
会議の長時間化データ準備に時間がかかり会議が延長120万円
意思決定の遅延最新データの不在による判断の先送り測定困難

特に見過ごされがちなのが、優秀な人材がルーティン作業に時間を奪われるという機会損失です。本来なら戦略立案や新規事業開発に充てられるはずの時間が、Excelの集計作業に費やされているのです。

2. データ更新の遅れによる機会損失

リアルタイムでデータを把握できないことは、現代のビジネスにおいて致命的な弱点となります。Excelでの手動更新では、どうしてもタイムラグが発生し、その間に重要なビジネスチャンスを逃してしまうケースが後を絶ちません。

ある小売業では、在庫管理をExcelで行っていたため、実際の在庫数と帳簿上の数値に最大3日間のズレが生じていました。これらは、リアルタイムでデータを管理できていれば防げた損失です。

コストの種類損失
在庫切れによる販売機会損失月間約200万円
過剰在庫による廃棄ロス月間約80万円
緊急発注による追加配送コスト月間約50万円

3. 属人化が引き起こす業務停滞リスク

Excel業務の属人化は、組織にとって最も深刻なリスクのひとつです。ある製造業の事例では、20年以上勤務していたベテラン社員が急病で長期休暇を取ったことで、月次の生産管理レポートが作成できなくなりました。その社員が独自に作成した複雑なマクロは、他の誰も理解できず、結果的に外部のコンサルタントに依頼して解析・再構築するのにコストが500万円かかりました。

属人化による具体的なリスク

  • 担当者の不在時に業務が完全に停止する
  • 引き継ぎに膨大な時間(平均3~6か月)が必要
  • 属人化した業務の改善や効率化が困難
  • 組織の成長に伴うスケールアップができない

このような状況は、単に業務が滞るだけでなく、経営判断の遅れや機会損失にも直結します。特に、意思決定に必要なデータ集計が属人化している場合、その影響は計り知れません。

脱エクセルを成功させるための3ステップ

STEP1. 業務課題の洗い出しと数値化

脱Excelを成功させるための第一歩は、現状の課題を明確に数値化することです。漠然とした問題意識では、経営層や関係者の理解を得ることは困難です。以下の手順で、説得力のあるデータを収集しましょう。

1-1. 時間計測の実施(2週間)

各担当者に、Excel関連業務にかかる時間を記録してもらいます。

  • データ入力時間
  • 集計・加工時間
  • ファイル統合時間
  • エラー修正時間
  • 会議資料作成時間

1-2. コスト換算

収集したデータを基に、年間コストを算出します。例えば「週20時間×52週×平均時給3,000円=年312万円」といった内容です。

1-3. リスクの可視化

属人化している業務をリストアップし、リスクレベルを評価します。

  • 担当者の人数
  • 代替可能性
  • 業務停止時の影響度

このような具体的なデータがあれば、「なぜ今、脱Excelが必要なのか」を明確に説明できます。

STEP2. 目的設定とツール選定のポイント

ツール選定で最も重要なのは、「何のために脱Excelをするのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま進めると、結果的に使われないシステムを導入してしまう危険性があります。目的設定のフレームワークは次の通りです。

2-1. 短期目標(3ヶ月

  • 特定業務の自動化による工数削減
  • データの一元管理による検索性向上

2-2. 中期目標(1年)

  • リアルタイムデータに基づく意思決定
  • 部門間のデータ連携強化

2-3. 長期目標(3年)

  • データドリブン経営の実現
  • 新たなビジネスインサイトの創出

ツール選定のポイントとしては「既存データの移行は容易か、現場の担当者が使いこなせるか、必要な機能がカバーされているか、拡張性・カスタマイズ性はあるか、サポート体制は充実しているか」がありますが、特に「完璧を求めない」ことが重要です。

Excelの全機能を代替しようとすると、複雑で高額なシステムになってしまいます。まずは最も課題の大きい業務に絞って導入を検討しましょう。

STEP3. 小さく始めて社内に展開する方法

脱Excelの取り組みで失敗する最大の原因は、「一気に全社展開しようとすること」です。成功の秘訣は、小さな成功体験を積み重ねながら、段階的に拡大していくことにあります。段階的展開のロードマップは次の通りです。

3-1. パイロット導入(1~2ヶ月)

  • 最も効果が見込める1つの業務を選定
  • 少人数(3~5名)でトライアル実施
  • 課題と改善点を洗い出し

3-2. 部門展開(2~3ヶ月

  • パイロットの成功事例を社内で共有
  • 同じ部門内で横展開
  • 運用ルールの確立

3-3. 全社展開(3~6ヶ月

  • 他部門への展開計画策定
  • 社内サポート体制の構築
  • 継続的な改善サイクルの確立

社内コミュニケーション成功には段階的アプローチが鍵です。まず定量的な改善効果を毎月レポートし、現場のポジティブな声を共有。経営層への定期報告で支援を継続的に得つつ、抵抗勢力には個別のフォローアップを。これにより、組織文化を徐々に変革できます。

脱エクセルの成功事例3選

CASE1. ビルメンテナンスにおけるジャパンホームシールドの事例

ジャパンホームシールド株式会社

地盤調査と建物検査を主力事業とするジャパンホームシールドは、業務管理システムを導入し、新規参入した建物修繕事業における協力会社管理と事務作業を大幅に効率化しました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
カンバンボード案件の進捗状況を可視化し滞留を早期発見遅延・滞留を防ぎ迅速な案件対応を実現
協力会社との情報一元管理複数システムを1つに統合し情報連携転記作業や書類作成の事務作業を大幅削減
カスタムレポート機能スタッフ・エリア別の分析レポート作成データに基づく事業戦略の立案が可能に
フェーズ管理見積もり完了後の自動フェーズ移行100件規模の案件でもリードタイム短縮

月30件の小規模工事案件を扱う建物修繕事業では、プロワン導入により必要な事務員数が当初想定の半分になり、管理コストの大幅削減を達成しました。ファイルとExcel、紙媒体で管理していた従来の体制から脱却し、協力会社管理における唯一無二のシステムとして機能しています(※1)。

建物修繕事業の変革事例

  • ビルダー・協力会社との複雑な情報管理が一元化され、スムーズな連携体制を構築
  • 1件ごとの進捗確認作業が不要になり、ステータスの一覧把握が可能に
  • 空いたリソースを新人育成や営業力強化に再配分できる体制を実現
  • 将来的な全国展開(300〜500人規模)に向けた拡張可能な業務基盤を確立

※1 プロワン「ジャパンホームシールド株式会社」

CASE2. プラントエンジニアリングにおけるJFEプロジェクトワンの事例

JFEプロジェクトワン株式会社

プラントメンテナンスで50年以上の実績を持つJFEプロジェクトワンは、業務管理システムを導入し、年間100億円規模のメンテナンス事業における見積もり作成の属人化と情報の散在を解消しました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
見積もり一元管理10人以上が個別管理していたExcelデータを統合月100件の見積もり処理を効率化
レポート分析機能売上予測・原価分析の自動化採算管理の精度が大幅向上
部署別カスタマイズ営業・機械・土建・計装で最適化属人化業務を標準化
リアルタイム情報共有全社員が状況を即座に把握管理職の負荷を大幅軽減

千葉センターを中心とした全国5拠点では、システム導入により見積もり作成の属人化を解消し、10人以上が個別管理していたデータを一元化しました。当初1年を想定していた導入期間も、実際には数ヶ月で完了し、スピーディーな業務改革を実現しています(※2)。

メンテナンス事業部門の変革事例

  • 4年に1度の大規模工事(通常の4〜5倍の業務量)への対応力が向上
  • 少数管理職による多数メンバー管理の負荷が解消され、組織運営が効率化
  • 見積もりデータの散在による情報管理の煩雑さが解消
  • 業務グループ新設後も、システム活用により円滑な組織拡大を実現

※2 プロワン「JFEプロジェクトワン株式会社」

CASE3. 消防設備工事における真弓興業の事例

真弓興業株式会社

創業60年以上の歴史を持つ真弓興業は、業務管理システムを導入し、紙とExcel中心の書類管理体制から脱却して消防設備事業の情報管理を一元化しました。このシステムの特徴は以下のとおりです。

特徴活用方法効果
ファイル管理機能紙の書類や分散したExcelファイルを案件ごとに集約書類の検索時間を大幅短縮、紛失リスクを解消
リアルタイム情報共有営業・メンテナンス部間の見積もり依頼をシステム上で完結対面や紙での回覧作業が不要になり時間短縮
見積もり作成機能バラバラだった見積もりフォーマットを統一化担当者ごとの作成方法の違いを標準化
写真・データ蓄積過去の見積もりや写真を案件単位で保存・参照類似案件の見積もり作成を効率化

月300件以上の点検案件と工事案件を抱える同社では、プロワン導入により紙ベースの書類管理から脱却し、部署間の情報共有がリアルタイムで可能になったことで、書類作成や承認プロセスの大幅な効率化を実現しています(※3)。

消防設備事業の変革事例

  • Excelと手書きで管理していた実行予算や見積書をシステムで一元管理
  • 営業・メンテナンス部・東京支社間の情報の行き違いが解消
  • 机上で書類が行方不明になる問題が解消され、ペーパーレス化が進展
  • 週末会議での口頭確認から、システム上でのリアルタイム把握へ移行

※3 プロワン「真弓興業株式会社」

脱エクセルにおすすめのサービス

大量のExcelデータを一元管理できる「プロワン」

脱Excel「プロワン」

建設・工事業界で散在するExcelファイルや紙の管理から脱却し、営業から施工、保守まで一気通貫で管理できる―それがプロワンです。現場で本当に必要とされる機能を業界特化型で開発し、データの一元化により情報の整合性とアクセス性を飛躍的に向上させます。

1. 業界特化型のデータ一元管理

従来のExcel管理では、顧客情報、案件管理、見積もり・発注・請求データが複数のファイルに分散し、転記作業だけで膨大な時間を浪費していました。プロワンなら、これらすべてを一つのプラットフォームで管理。現場担当者でも使いこなせるExcelライクな操作感を維持しながら、データの整合性を確保します。

導入コスト面でも優位性

  • 初期費用と月額利用料のシンプルな料金体系
  • TCO(総保有コスト)を低く抑えた設計
  • 高額なBIツールやローコード開発プラットフォームと比較して、圧倒的なコストパフォーマンス

導入企業では、事務作業を30%削減し、帳票作成や現場と事務所の二重入力を完全に撤廃。10個以上の複雑なExcelファイルを管理していた企業でも、スムーズな移行を実現しています。

2. リアルタイムでの経営数値可視化

経営ダッシュボードやKPI管理において、プロワンは現場の最新データをリアルタイムで可視化。Excelでは実現困難だった即時更新により、意思決定のスピードと質を大きく向上させます。

プロワンの可視化機能の特徴

  • 案件ごとの収益性を即座に把握
  • 原価管理の徹底により利益率15%向上を実現
  • 異常値の早期発見で不良在庫を削減
  • 全社員がKPIをリアルタイムで確認可能
  • スマートフォン・タブレットからもアクセス可能

実際の導入企業では、データドリブンな意思決定が可能になり、月次の業務改善サイクルが確立。機材一つひとつに対する履歴管理により、機材CRMという新しい管理手法も実現しています。

3. 現場に定着するタスク・進捗管理

プロジェクト管理や業務進捗管理において、プロワンは現場の実情に即した機能を提供。システムに不慣れな現場担当者でも直感的に使える設計により、導入初日から業務効率化を実現します。Excel管理からプロワンへの移行効果は、次のような内容です。

管理項目Excel管理の課題プロワン導入後改善効果
進捗更新手動で都度更新ドラッグ&ドロップで簡単更新作業時間90%削減
情報共有メール添付で送信リアルタイム自動同期即時共有を実現
履歴管理バージョン管理が困難自動で全履歴保存完全なトレーサビリティ
顧客対応対応遅れが発生期限アラート自動送信顧客満足度92%達成

貴社の業務にフィットするカスタマイズ性

プロワンは、独自の業務フローや管理項目にも柔軟に対応。法改正や顧客要望をもとに進化し続けるシステムとして、業務要件やオペレーションの変化があった際にも簡単に設定変更が可能です。

業界を熟知した専任コンサルタントによる導入支援チームが、貴社の現在のExcelファイルの数と複雑さを分析し、最適な移行プランを提案。ノンコア業務を効率化し、コア業務にリソースを集中できる環境を実現します。

プロワン1つで、複数のシステム、Excel、紙の組み合わせによる膨大な転記作業から完全に脱却。現場のデジタル化でデータドリブン経営を実現し、持続的な成長を支援します。

中野貴利人

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